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2019年06月17日
不動産豆知識

ボロボロになった畳の取替え義務は貸主?借主?

ご訪問ありがとうございます。(株)全商事の牧田朋美です。

6月16日(日)、弊社の祐天寺にある物件に、17年間住んでいらっしゃった借主様退去されました。

住居表示は五本木1丁目で、祐天寺の駅まで5分ちょっとと利便性抜群です。

そちらのお部屋に畳がありましたので、ついでと言ったら難ですが、畳の補修義務は借主にあるのか貸主にあるのか、調べたことをこちらの記事でまとめたいと思います。

借主さんから、畳を取り替えてもらいたいという依頼が

まず事例から。

賃貸期間が20年以上になる借主から「長年住んできて、畳がすれてボロボロになってしまっています。それと、ふすま紙がも変色してひび割れしています。大事に使ってきましたが、20年経っていますし、取り替えていただくように貸主さんにお願いしてください」という電話が管理会社にありました。

 

借主の畳取替の依頼に対して貸主は

管理会社が貸主にその旨を伝えると、「畳もふすまも取り替えるのは自由だが、費用は居住している借主さんでご負担ください」という返事が返ってきました。

雨漏りや設備の故障の修理等は貸主の義務だと思いますが、畳の取替義務まで貸主にあるのでしょうか。

というのが、こちらの事例です。

建物に備えられた畳等も貸主の修繕義務の対象になる

貸主は、借主に建物を使用・収益させ、その対価として賃料を得ています。

貸主は、有償で建物を貸している以上、賃貸している建物に、借主が通常の生活を送る上で支障をきたすような劣化・損傷等が生じた時には修復等を行い、通常に使用出来るようにしなければならない義務を負っています(民法606条1項「賃貸人の修繕義務」)。

修繕義務の範囲は、雨漏りや備付けの設備等の故障だけではなく、契約時に備え付けられてる畳、ふすま等も修繕の対象になります。

畳が劣化・損耗して畳としての品質・性能がなくなれば、原則として貸主に取替・修復の義務が生じます。ふすまも同様です。

従って、特段の修繕特約がある場合を除き、こちらの事例の貸主は、畳の取替・ふすまの張替義務があります。

修繕特約がある場合

特約で「畳の取替・裏がえし、ふすま・障子の張替え等の修繕は借主が負担する」などの修繕特約がある場合、当該規約は有効となります。

その場合、貸主の修繕義務は免除されているので、畳の取替、ふすまの張替えは借主負担で行うことになります。

修繕特約についての最高裁の判決

こちらの修繕特約について最高裁の判決がございましたので、そちらも載せておきたいと思います。

最高裁 昭和43年1月25日判決

(若干平易な言葉に書き換えております)

「賃貸借契約中に記載された「入居後の大小修繕は賃借人が負担する」旨の特約は、単に賃貸人が民法606条1項所定の修繕義務を負わないとの趣旨であったにすぎず、賃貸人が家屋の使用中に生ずる一切の汚損、破損個所を自己の費用で修繕し、右家屋を賃貸借契約当初と同一の状態で維持すべき義務があるとの趣旨ではないと解するのが相当であるとした原判決の判断は、正当である。」

まとめ

修繕特約自体は認めるけど、借主は、賃借している建物を、引渡しを受けた時と同じ状態で維持する必要はないという趣旨のことを最高裁は述べているようですね。

住んでいれば、経年劣化は当然のこと。そのためのお家賃ですからね。

本日は以上になります。

本日も最後までお付き合いいただきましてありがとうございました。

この記事を書いた人
牧田朋美 マキタトモミ
牧田朋美
ホームページをご覧いただきましてありがとうございます。 青山一丁目にございます株式会社全商事の代表を務めさせていただいている牧田朋美と申します。 趣味はアンチエイジングなのですが、それが高じてマラソンをすることになり、かれこれ11年走り続けております。 ブログには普段走って移動する私ならではの視点で気付いたことなど、日々感じたことを記事にしていきたいと思っております。 人当りはとっても良く、いつもニコニコです。 ただ、中身はかなりストイックな体育会系です。

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